2012年8月3日(金)より19日まで17日間、代表の生地がベトナム南部を訪問し、奨学金プログラムの対象の20名の児童、生徒および保護者と面会し、6カ月分の奨学金を保護者に支給してまいりました。8回目の訪問になります。
奨学金支給の対象者は4省1市に分かれており、それぞれ長距離バスや鉄道に乗って訪問しました。通訳として、日系企業の社員や大学生などがボランティアで同行し、現地の学校の先生などとともに家庭訪問を行いました。
ベトナム到着後、現地のメンバー、協力者に連絡を取り、スケジュールを立てますが、ベトナム語しかはなせない協力者には通訳を通じて打ち合わせを行うため、調整にはたいへん時間がかかります。事前にも連絡を取りますが、会社員も学生も忙しいため、都合のつく日や有給休暇をとれる日を再確認して、調整ができたところから訪問をはじめました。
メコンデルタの貧しい町では、中学校への前回要望のあった中古ノートパソコンの寄贈、継続的な支援をしている2名への奨学金およびベトナム人からの寄付による4名への表彰金(一時金)の贈呈、そして、「空飛ぶ車いす」を支援する日本社会福祉弘済会より預かった中古車いす2台を現地の赤十字を通じて、低所得の高齢者へ寄贈しました。
奨学金プログラムが3年目に入るにあたり、個々のケースについて、さまざまな検討と対応を行う必要が出てきました。地道な手続きや話し合いが行われましたが、このような仕事が非常に重要であると痛感しました。
例えば、ホーチミン市近郊の村からは2名の生徒の奨学金の打ち切りの提案がありました。一人は経済状態が向上したこと、もう一人は小学校を留年したことが理由でした。教育委員会や協力者の話では、2名の代わりに別のこどもに支援をしてはどうかという提案でした。村で協力してくださっているメンバーと相談し、家族とも面談をした上で、経済状態が向上したこどもは今回で支給を休止するが経済状態が悪化すればまた再開すること、留年したこどもについては、もう一年チャンスをつくり、支給を継続することにしました。
また、ホーチミン市内の児童養護施設に入っている奨学生が中学校進学に伴って新しい施設に移ることになり、新しい施設と事務の引き継ぎを行いました。前の施設の施設長がわざわざ同行してくださり、新しい施設の施設長にプログラムの説明を行い、書類の作成などを引き受けてもらうようお願いしました。前施設長の協力がなければ、引き継ぎができず支援が中断してしまうところでした。この活動が、このような現地の地道な協力の上に成り立っている一例です。
今回、新たに数名の若い会社員と大学生の協力者と出会い、活動を説明するともに、通訳等の協力をお願いしました。これまで協力してくれたメンバーには日本のNPO法人制度の説明を行い、協力をお願いし、了承されました。
滞在中、空いた時間を使って、なるべく多くの方にお会いして、活動への理解と協力を呼び掛けてまいりました。
次回は来年3月に訪問する予定です。
行程表
8月3日(金) | 深夜、タンソンニャット空港到着 |
8月4日(土) | 現地の協力者とのスケジュール調整。新しい協力者に活動を説明。 |
8月5日(日) | ホーチミン市内の協力者とメコンデルタ訪問の打ち合わせ |
8月6日(月) | メコンデルタのA省の村を日帰りで訪問。奨学生3名に奨学金を支給。 |
8月7日(火) | 6月に高校を卒業した奨学生の薬科専門学校への進学について相談。 |
8月8日(水) | 中部山地を訪問。山岳少数民族の民芸品をバザーで販売するために購入。 |
8月9日(木) | 昼過ぎ、ホーチミン市へ向けて出発、夕刻、到着。 |
8月10日(金) | 通訳を頼み、英語を話さない各協力者とスケジュールの打ち合わせ。午後:ホーチミン市内でバザー用品の購入。 |
8月11日(土) | 中部の都市へボランティアと鉄道で移動。現地の協力者宅で打ち合わせ。 |
8月12日(日) | 中部の都市で支援をしている小学生4名の家庭を先生とともにオートバイでまわる。夕刻、ホーチミン市へ戻る。 |
8月13日(月) | 午前:ホーチミン市内で支援をしているこどもが入所する児童養護施設の移動のため新しい施設を訪問。事務の引き継ぎを行う。午後:薬剤師養成所に入学した奨学生に学費と奨学金を支給。夜:ボランティアと打合せ。 |
8月14日(火) | メコンデルタのB省の町を日帰りで訪問。中学校へノートパソコンを寄贈。2名に奨学金、4名に表彰金(一時金)を支給。赤十字を通じて低所得の高齢者へ中古車いすを2台寄贈。校長、教頭と会食。 |
8月15日(水) | 休息。 |
8月16日(木) | 現地のメンバーにNPO化の計画について説明。 |
8月17日(金) | 協力者と打ち合わせ。荷物の梱包。 |
8月18日(土) | ホーチミン市近郊の村を訪問。この村のメンバーと情報交換を行う。6名に奨学金を支給。村の赤十字より新たに白血病のこどもへの支援要請があり、自宅を訪問。他のこどもと同額を治療費の一部として支給を決定。 |
8月19日(日) | 協力者と昼食、今後の協力について依頼。空港から成田へ。 |